子ども・オンブズコラム平成25年4月10日号

赤ちゃんの世界は、すごい

　昨年9月に子どもを出産しました。アラフォーの初産で、妊娠中から大変な面もありましたが、みんなに助けられ、なんとか育児をしつつ、年末から仕事に復帰しています。
　「産んでからが大変よ～」というまわりの経験者の声が、今一つピンときていませんでした。けれど、その意味がやっとわかりました。このデジタルで便利な時代に、よくもまあ、こんな手のかかるお世話をやっているんだなぁ、びっくりしました。おっぱいがうまく出ない時期は、苦しくて痛くて不安なものでした。ウンチはもれるし、おしっこはひっかけられる。疲れて眠くてたまらない時に、ぐずって泣いて、なにをやっても泣き止まないと、ものすごく追いつめられた気持ちになります。最初の一ヵ月は、赤ちゃんとの気持ちがかみ合わなくて、何度ももうダメだと思いました。寝不足の頭で考えるのでロクなことはありません。この先もずっとこんな調子か、自分は子どもを育てられないのではないか。こういう時は、自分がかなり疲れていると思うようになりました。
　仕事で、いろんな親御さんから子どもの困りごとを伺いますが、この親御さんたちも、みんなここからスタートしたのか～と思うようになりました。切実な困りごとを抱えているけど、でも、よくここまでやってこられたなという感じがします。
　子どもを育てるのは、それなりに楽しみを見いだせると、我慢や踏ん張りがききやすくなり、あったかい励ましや応援があって、やっていけるものだとしみじみ思います。
　自分自身が赤ちゃんを可愛いなと思うのも大事ですけど、家族や誰か、一緒に子育てをする人々と、赤ちゃんの面白さや可愛さを分かち合えると、楽しく、幸せな感じがしています。例えば、託児所の先生から話を聞いたり、連絡帳に書き合うことで、ふだん分からない姿や先生独自の見方を教えてもらいます。
　どうも、赤ちゃんの世界はとてもおもしろいようです。この託児所では、部屋が狭いこともあり、いろんな年齢の子どもが同じフロアですごしています。満1歳前後の子どもたちが、5カ月のうちの子どもに対して、「赤ちゃん」かわいいねぇと頭をなでようとしたり、ベビーベッドで寝ていると、よちよち歩きで、積み木やぬいぐるみなどをつかみプレゼントのように持って行ってあげたりするそうです。初めての言葉「ママ」の次が「赤ちゃん」で、うれしそうに呼ぶ子ども。2歳では、おままごとで食べさせようする子ども、自分の膝に抱っこしたいとせがみ、先生に持ってもらいながら抱っこする子ども。私からすると、つい最近までみんな同じような赤ちゃんなのですが、先生が教えたわけでもなく、自然にとても楽しんでやっているそうです。そして、さらに面白いのは、うちの子どもも、とても喜び、みんなが関わってくれるたびに、笑ったり、声を上げたり、そばに行きたがったりすることです。人生の最初に、こんな楽しい世界に身を置くことができて、何て幸せなんだろうと思います。先生によると、同じ月齢や年齢では、こういう光景は見られず、けんかやおもちゃの取り合いになってしまうことが多いそうです。
　幼いものを可愛がる気持ちは、こんなに初めから、自然に起こってくるものだと気づかされました。一人ひとりの子どもが秘める力を大切にしつつ、今後も相談にかかわっていきたいと思います。

執筆：チーフ相談員・新林智子
 

2012（平成24）年度に「視察」を受けました

5月18日（金曜日）：埼玉県朝霞市議会・民生常任委員会 
7月3日（火曜日）：青森市議会・文教経済常任委員会 
8月10日（金曜日）：大阪府泉南市教育委員会 
8月16日（木曜日）：開成高等学校（東京）社会科研究部 
8月17日（金曜日）：滋賀県議会・対話の会しがねっと 
8月21日（火曜日）：鳥取市議会・公明党議員団 
9月7日（金曜日）：青森市健康福祉部・子どもしあわせ課
10月10日（水曜日）：埼玉県鴻巣市議会・みどりの会、滋賀県教育委員会・学校教育課
10月17日（水曜日）：東京都多摩郡瑞穂町議会・厚生文教常任委員会
11月6日（火曜日）：高槻市議会および島本町議会
11月12日（月曜日）：栃木県足利市議会
11月14日（水曜日）：滋賀県町村会・教育次長会議
11月20日（火曜日）：川西市立多田東小学校PTA
11月21日（水曜日）：自治体青年政策ネットワーク（全国若手地方議員有志）
12月21日（金曜日）：滋賀県大津市 市民部文化・青少年課 
2月4日（月曜日）：長野県佐久市教育委員会・学校教育課 
2月18日（月曜日）：兵庫県宝塚市子ども未来部・子ども施策課 
2月28日（木曜日）：滋賀県大津市 市民部文化・青少年課 
2月25日（月曜日）：奈良市議会 公明党議員団 
3月25日（月曜日）：熊本県八代市・八代地域人権オンブズパーソン