子どもオンブズ・コラム平成28年9月号 人生の中で「親友」と呼ばれる人に一人でも出会えたら、ラッキーなくらい

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ページ番号1001683  更新日 平成31年1月24日 印刷 

人生の中で「親友」と呼ばれる人に一人でも出会えたら、ラッキーなくらい

村上相談員の似顔絵
   似顔絵:村上相談員

 少し前、アンジェラ・アキさんの「手紙 拝啓 十五の君へ」という歌が流行ったかと思います。私も好きな歌の一つですが、歌の内容は、おとなになったアンジェラさんが、悩み葛藤している15歳の自分から受け取った手紙に対して、エールを送るというものです。もし、私がアンジェラさんのように中高生時代の自分に何か伝えられるとしたら、こんなことを言ってあげたいと思います。今だからこそ、言えることだけれど。

 人生で一人でも「親友」という人に出会えたらラッキーなくらい。タイミングがあるのだから、「親友」にこだわるより、自分のやりたいこと、興味のあることにドキドキしてもトライしてみたり、自分の道を淡々と進んでいくことに専念したらいいよ。その過程でこそ、自分とあう人に出会えたりするのだから。まずは、自分が楽しんでいったらいいよ。学生時代なんて、その時期を過ぎてふり返れば、あっという間。学校の中にも、本当は色んな人や色んな出会いがあると思うけれど、もしそこであまり楽しめていないとしても、社会にはたくさんの面白い人や出会いが色々あって、きっと生きやすくなるから、何とか今はしのいで進んでいってほしい。内弁慶で友達が少なくても、いなくても、人から変に見られていそうと心配でも、勉強や運動がそんなにできないと引け目を感じていても、容姿に自信がなくても、別に大丈夫やから。ふんばって、少しでも気の向く方に、一歩踏み出してみてほしい。踏み出した先にこそ、出会いはきっとあるから。

 思春期を生きる子どもたちが、「親友」の不在に悩んでいる様子を見聞きすることがあります。そしてそんな時、彼・彼女らと同じように悩んでいた、内弁慶で友達作りに苦労していた中高生時代の自分の記憶を甘酸っぱく思いだします。その頃の自分は、いつも、しっくりくる「親友」を求めていて、その存在のいない自分を情けなく、寂しく感じていました。学校がすごく楽しいわけでもないけれど、かと言って学校に行かないという選択肢は思いもよらず、時々しんどくなって休むこともありながら、しぶしぶ、必死で、登校していたように思います。今考えると、将来の見通しも曖昧な状態で、学校に行くことがどう自分の将来に繋がっていくのかも見えず、だからと言って休んだ先の見通しもなく、全てにもやがかかったような、ぼんやり重苦しい日々だったように感じます。
 そんな中高生時代も過ぎて、「親友探し」にも疲れてきた頃、まずは自分の興味のある方向に1人でも進んでみようと思い、色々な活動に参加することにしました。そして気づけば、似た者どうしの友達や、自分とは少し違ったタイプの友達と出会うようになり、なんだか世界が一気に鮮やかに色づき始めました。
 なかでも、行動を共にすることが多くなったTちゃんが、気づけば「親友」的な存在になり、いつの頃からか私にとっては唯一無二の味方になっていました。素朴で優しく、どこか個性的なTちゃん。Tちゃんは、悲しい時・しんどい時に、ポロッと愚痴ると、ゆっくり話を聞いてくれ、そしてちょっと笑っちゃうくらいアタフタと心配してくれて、それがくすぐったく嬉しかったり。Tちゃんがなぜそんなに特別な存在になったのか、考えてみると、これといって特別なエピソードがあるわけではありませんが、共に泣き笑い励ましあう経験を積み重ね、お互いのよき理解者&応援者になったのでしょう。
 その後、Tちゃんともなかなか会えなくなりましたが、それでもTちゃんとは、どちらかが困った状態の時には以心伝心のように自然と出会い、なんとなーくゆるく話をして、力を充電しあう関係となっています。

 「親友」を見つけたいと思い悩む時期もありましたが、その頃の私は、「親友を得る」ということが自分を素晴らしく見せたり、幸せになるためのツールであるはずと、どこか無意識に焦っていたように感じます。実はどんな自分だったとしても、その自分が自分なりに歩を進めていくなかでこそ、色々な出会いをし、その出会いに嬉しさを感じていけるのだと思います。だからこそ、もし私のように悩んでいる人がいたら、まずは少しでも気の向く方に、一歩踏み出してみてほしい、そう願います。

執筆:相談員・村上裕子(むーやん)

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