子どもオンブズ・コラム 令和2年4月号 はじめまして

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ページ番号1010954  更新日 令和2年4月23日 印刷 

就任のあいさつ(相談員)

中村イラスト
  中村相談員のイラスト

 川西市のみなさま、はじめまして、4月から新しく相談員になりました中村誠吾(なかむらせいご)です。
 94センチ。これは僕が小学校入学時の身長です。登下校中の僕を見た近所の人たちのあいだで「ランドセルが歩いている」と噂になるほどその後ろ姿は小さかったそうです。全校集会ではもちろん先頭でしたし、友だちの背に向かって「前にならえ」をできたのは年間に身長が10センチ以上伸びた小学校6年生になってからでした。
 体は小さかったのですが、小学校4年生からは学校のバスケットボールクラブに入っていました。体格は不利でしたが、みんなと一緒にスポーツを楽しめていたので勝ち負けを気にすることなくやっていました。中学校・高校と体格はほとんど変わらなかったのですが、大学では今まで触れたことのない楕円形のボール、ヘルメットなどの防具をつけた姿のかっこよさに魅せられて、アメリカンフットボール部に入部しました。
 みなさんの想像どおり、アメフトをする人たちの体はもちろん大きいです。大学1年生の時の僕は体重が52キロしかなく、練習中に115キロの先輩に吹っ飛ばされた苦い経験があります。バスケットをしていた時は「楽しければいい」と思っていた僕ですが、アメフトを始めてからは体格の不利はあるものの「目の前にいる相手に負けたくない」と思うようになりました。けれど、自分より大きい相手には正面からぶつかってもなかなか勝てません。そこで、走るためのルートをあけてくれている味方の背後に隠れて相手を翻弄し、小さい体とスピードを活かして相手選手の間をすり抜けて得点を獲得することができるようになりました。体の大きな相手にひとりでは勝てなくても、味方のフォローがあれば勝つことができると知りました。このことは大きな自信となり、足元めがけてもぐり込みながらタックルをすることで自分より大きな相手を吹っ飛ばしたりと、小さい体ながらに活躍できていたと思います。
 こうした僕のスポーツ遍歴をあらためて辿ってみると、「なぜ体格に合わないスポーツばかりしているんだ?」とみなさんも思ったでしょうし、僕自身も思います。今更ながらこの問いについて考えてみると、体が小さかったことを理由に周囲の人から嫌なことを言われたりされたりした経験が、幸いにもほとんどなかったからだと思うのです。もちろん自分自身がコンプレックスを感じることもありましたが、少なくとも周囲の人たちの見方や接し方が僕の悩みを小さくし、自由にスポーツに挑戦することを可能にしてくれたのだと思います。
 現代の子どもたちの中には、コンプレックスや悩みを抱え、自分を責めてしまうことにより、さらなる「しんどさ」を経験している子どもたちがいます。そういった「しんどさ」は周囲の評価によって緩和されたり解消されたりするものではないでしょうか。周囲の偏った見方や扱いが子どもの「しんどさ」をより大きくすることがある一方で、僕も経験したように、周囲の寛容な見方や手助けは「しんどさ」を小さくすることができます。つらい思いをする子ども本人への働きかけはもちろんのこと、子どもを取り巻く環境への働きかけも同時に重要です。ですので、まずは僕自身が「子どもを取り巻く環境にいるひとりである」ということを自覚し、そのうえで、子どもの人権を守り、「子どもの最善の利益」を目指すことのできる環境づくりに、ひとりの相談員として努めていきたいと思っています。

執筆:相談員・中村誠吾(せいくん)
 

就任のあいさつ(相談員)

古瀬イラスト
   古瀬相談員のイラスト

 はじめまして。4月より相談員になりました、古瀬悠(ふるせはるか)と申します。川西市の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 私の家族には2匹のねこがいます。今年で14歳になる、おばあちゃんねこの姉妹ですが、毎日元気に食べて寝て遊んで暮らしています。2匹との出会いは私が中学1年生のとき。学校で捨てねこを育てた方のお話を聞いたその当日に、母が段ボールに捨てられていた小さな子ねこを2匹連れて帰ってきたのでした。その出会いに運命的なものを感じている私の手のひらの上で、一生懸命ミィミィ鳴いている姿はとても可愛く、「絶対に育てなくては」と固く決意したことを覚えています。
 我が家に子ねこがやってくると生活は一変しました。まだ目が開いたばかりの子ねこの世話に家族総出の24時間体制であたります。ミルクを与えるときは、ぬるめのお湯で2匹分のミルクを作り、与え終わったら哺乳瓶を分解して殺菌消毒を毎度行います。また排泄も自力でできないため、お腹が張ってきたらトントンと指で刺激を与えてつきっきりで手伝います。遊ぶ時も小さい体に怪我をさせないよう、気配りに必死です。初めての子育てならぬ、ねこ育てに奮闘しつつも、毎日成長していく2匹を見守る日々は本当に楽しく、あっという間に立派なおとなのねこに成長しました。
 ねこを育てることは私にとって大変な喜びで、使命感もありました。しかし今こうして当時を振り返ると、実は少しネガティブな気持ちになっていたことを思い出します。子ねこの世話は楽しかったけれど、自分が今まで自由に過ごしていた時間を割かねばならないこともありました。たとえば、友人との放課後のお喋りを諦めたり、夕方のテレビ番組を見逃したりと、書くのも恥ずかしいようなくだらないことですが、「学校で話についていけなくなったらどうしよう」と考えてしまうほど、当時の私にはとても重要なことでした。しかし、家族だけでなく近所の方にもねこの世話を手伝ってもらったことで、気持ちと時間に余裕を持てるようになり、また結果として学校で嫌な気持ちになることは全くありませんでした。むしろ、みんなで協力して世話に当たることで、新しい発見や共に成長を喜ぶ楽しさも得られたのです。周囲の協力や助けがなければ、今でも私は「しんどかったな」とばかり思っていたかもしれません。自分一人だけでなく、誰かと経験や感情を共有することがポジティブな感情を生むのだろうと思います。
 人に頼ることで少し前向きな気持ちになれる。そんなふうに、一人ひとりの子どもにとって何が最善なのか、気持ちに寄り添って子どもたちのお手伝いができればいいなと思います。ニックネームは「ふるふる」です。いつでもどこでも、どうぞお気軽にお声掛けください。これからよろしくお願いいたします。

執筆:相談員・古瀬悠(ふるふる)
 

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