子ども・オンブズコラム平成26年3月15日号

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ページ番号1001711  更新日 平成30年3月8日 印刷 

「『地方自治と子ども施策』全国自治体シンポジウム2013」に出席して

1日目全体会の写真
  写真:全体会の様子

 「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウムは、全国の自治体関係者・研究者・専門職が一堂に会し、地方自治における子ども施策のあり方やまちづくりの展望を見出すことを目的として、2002年に川西市ではじめて開催されたのを皮切りに、毎年開催されています。川西市子どもの人権オンブズパーソンも、このシンポジウムを貴重な研修の機会と位置づけ、毎年出席しています。2013年度のシンポジウムは、10月19日(土曜日)・20日(日曜日)に長野県松本市で開催されました。
 1日目の全体会では、韓国・京畿道で精力的に進められている子どもの人権の視点からの教育改革について、京畿道教育監の金相坤さんからお話がありました。「教育は『競争』ではなく、『協同・協力』である」「教育は『成績』ではなく、『成長』である」「『指示と統制』で動く教育ではなく、『自律と自治』を尊重する」などの言葉から、教育とは何か、子どもをどうみるか、どのような社会を目指すのかということについての明快なビジョンが提示されました。その後、長野県松本市、兵庫県明石市、東京都渋谷区から、各自治体での特色ある子ども・教育施策についての報告が行われました。
 


2日目分科会の写真
  写真:分科会の様子

 2日目はテーマの異なる8つの分科会が開催されました。私たちは「子どもの相談・救済」分科会に参加し、他自治体でのいじめ対策や公的第三者機関の実践、教育と福祉の連携をはかる取り組み等について学びました。どの自治体でも、子ども中心の問題解決とは何かということを真摯に考え、日々の取り組みを進めていることが感じられました。
 私にとってもっとも強く印象に残ったのは、韓国・京畿道で、子どもの人権を守るための条例(京畿道児童・生徒人権条例)を制定・実施するプロセスにおいてもさまざまな困難がある中で、それらをどのようにクリアしていったのかということについての金さんのお話でした。京畿道の教育改革においては、立場や意見の異なる人々とねばり強く対話すること、行政と市民の連携を後押しすること、学校・家庭・地域で現に苦しんでいる子どもたちの現実についての共通認識をつくりあげることを大切にしてきたといいます。これらはまさに、私たちオンブズパーソンの活動において、子どもの問題解決を支援し、子どもの人権についての広報・啓発に取り組み、制度改善の提言を行う上でも大切にすべきことであると思います。
 また、金さんは講演の中で、次のように述べています。

 「人権は法律や条例が制定されたからといって保障されるものではありません。人権の価値と哲学が構成員たちの間で共有され、これが一つの国家的、社会的、個人的な行為の規範になることにより、やがてその法律や条例は効果をもたらすと思います。」

 これもまさに、日本社会において、そして川西市においても通じるメッセージだと思います。川西市子どもの人権オンブズパーソン条例第1条には、「すべての子どもが人間として尊ばれる社会を実現することが子どもに対するおとなの責務であるとの自覚にたち、かつ、次代を担う子どもの人権の尊重は社会の発展に不可欠な要件であることを深く認識し…」と記されています。オンブズパーソンが活動を開始してから15年、こうした自覚と認識を共有する人々の輪をどれだけ広げてきたのかが問われていると感じました。
 今回のシンポジウムは、なぜ川西市でオンブズパーソンができたのか、オンブズパーソンは何を実現するために存在するのかという原点を再確認する機会にもなりました。「すべての子どもが人間として尊ばれる社会を実現する」という理想を現実のものとするためにも、今回の学びを日々の取り組みに活かしていきたいと思います。

執筆:チーフ相談員・渡邊充佳


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