子どもオンブズ・コラム 令和4年4月号 はじめまして

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ページ番号1015252  更新日 令和4年5月9日 印刷 

就任のごあいさつ

長瀬オンブズパーソン
長瀬オンブズパーソン イラスト

 はじめまして。2022年4月よりオンブズパーソンになりました長瀬正子です。

 ふだんは大学で、保育士や社会福祉士、学校教員になろうとする学生とともに、子どもの力を奪わないおとなや支援者はどんな人たちか、子どもを助ける社会の仕組みにはどんなものがあるのかについて話したり、考えています。

 今の研究をしているのは、社会的養護(注)で育った経験のある人たちと出会ったことがきっかけです。子どもには、生きる・育つ・まもられる・参加する権利があります。でも、社会的養護を必要とする子どもたちのなかには、その権利がおとなから十分にまもられず、食事が食べられなかったり、眠れなかったり、つらい気持ちを聴いてもらえなかったり、怖い思いをしてきた人がいました。おとなになってからも、「家族に頼れない」ことで、さまざまな場面での苦労があります。社会的養護で育った人たちのなかには、自分たちが経験してきたようなつらい、苦しい気持ちをする子どもたちを一人でも減らしたいと社会を変えるための行動、いわゆる当事者活動をする人たちがいます。私は、社会的養護で育った経験はありませんが、当事者活動をともにおこなうことを通じて、社会的養護で育った人たちの経験と思いに多くを学んできました。苦しい状況を生きる子どもほど、その声は表出されにくく、言葉になりにくいということを教えられました。

 子どもにとって最も良いことを考えようとするとき、子どもの思いや考えは何よりもその方向性と内容を考える手がかりとなります。子どもから見える視点や世界のありようは、立場が異なるおとなや支援者からは見えません。私たちは、その視点や世界を教えてもらうことで、どうしたらよいか一緒に考えることができるのだと思います。

 とはいえ、子どもの声を聴くことを実践していくのは簡単なことではありません。私自身10歳の娘の親ですが、いつも試行錯誤です。余裕がないときは声が大きくなりますし、娘に尋ねずに物事を進めて怒られたことも何度もあります。私を含めた多くのおとなは、子どもの権利を大事にしたやり方で育てられていません。そして、保護者を含めたおとなを応援する社会の仕組みも決して十分ではありません。だからこそ、私は、子どももおとなも一人ひとりの人たちが、自分の気持ちを大切に、その声を含め、さまざまな表現を大切にできる社会をつくっていきたい、と思うのです。

 オンブズパーソンは、子どもの声を大切にする仕事だと思っています。子どもの声に尊重と敬意をもって、お仕事させていただけたらと思っています。

(注)「社会的養護」とは…

さまざまな事情で保護者と離れて育つ子どもを公的な責任で社会的に養育する仕組みのこと。

執筆 オンブズパーソン 長瀬 正子

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