子どもオンブズ・コラム平成30年3月号 子どもの声を聞くということ・退任のご挨拶
ページ番号1006600 更新日 平成30年4月24日 印刷
「子どもの声を聞くということ」退任のご挨拶

川西市に、そして子どもの人権オンブズパーソンにご縁があり、来させてもらってから、早8年と9カ月が経ちました。子どもオンブズってどんなところで、そしてオンブズ相談員って、どんな風にしたらいいのだろう。先輩方のお話を聞いたり、本を読んで勉強しても、まだまだ分からないことだらけで、ドキドキしながらの始まりでした。
それから、たくさんの子どもや、おとなのお話を聞かせていただいてきました。関係の中で傷つき、問題解決の展望が見えにくくなっている子どもも多くいましたが、お話を聞かせてもらい、それぞれの子どもの思い、願いを中心に、周りのおとなとの関係を調整するなかで、子どもが元気になっていく姿に何度も励まされてきました。周りの人が自分を傷つけようとしていたのではないのだと分かったとき、また自分の声がしっかり届けられたと感じたとき、子どもはグンと力を回復し、自ら問題解決に向けて動き出します。その強さに勇気をもらい、今まで、なんとかやって来れたと思います。
私が初めて研究協議(オンブズチームで、一人ひとりの子どもの最善の利益について協議する場)に参加した時、色々なバックグラウンドをもつオンブズパーソンや相談員が、一人ひとりの子どものケースに関して、しっかり時間をかけて協議している姿を見て、感銘を受けました。効率的であることに価値が置かれがちなこのご時世で、本当にこんなに丁寧に、色々な人たちが真剣に意見を出し合い、一人ひとりの子どもの声を尊重していることに感動しました。そして、実際に、丁寧に子どもの声を聞くことこそが、問題解決に繋がっているという、しっかりとした手応えがありました。その手応えを、当事者である子どもと、そして関係するおとなと共有することが出来た時、その子どもにとっても、周りにとっても、生きやすい環境が生まれていました。
あっという間のように感じる日々でしたが、ふり返ると、出会ってきたたくさんの子ども達の顔が浮かんできます。一人ひとりの子どもとの出会いが、私にとっての大切な思い出であり、また貴重な学びの機会でした。子どもの逞しさに救われたこと、難しい社会構造の問題に悔し涙を流したこと、でも諦めずオンブズチームでその課題に向き合ってきたこと、などなど。ここで学んだこと、そして心に積もった思いを大切に、これからも子どもの人権に真摯に向き合っていきたいと思います。
今まで出会った皆さま、そしてお世話になった関係者の皆さま、本当にありがとうございました。
最後に私の好きな文章の要約を皆さまにお伝えして、別れの言葉とさせていただきたいと思います。元々、2月4日の「フレンズデー」に友達から送られてきた詩(作者不詳)の一部です。
人は、理由があって、または一時的な季節のように、そして生涯にわたって、あなたの人生にやって来ます。
理由があって来た人は、あなたにとってその時に必要としている人です。そしてその理由だった問題が解決した時、その人は色々な理由で、あなたの元から去っていきます。そして、それは正しいことで、あなたが次に進んでいく時なのです。
季節として来た人は、あなたにたくさんの楽しみや幸せ、新たな発見をもたらします。それはあなたが、人とそれらを分かち合う時がきたからです。そしてそれは、季節のように一時的なものですが、ほんものです。
生涯にわたる関係は、あなたの人生にたくさんの学びや気づきをもたらします。それらを、他の関係にも生かしていくことが、あなたの役目です。恋は盲目と言うけれど、友情はかけがえのないものです。
あなたが、理由でも、季節でも、生涯でも、私の人生の一部になってくれて、ありがとう。
相談員:村上裕子(むーやん)
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