子どもオンブズ・コラム 令和5年4月号 はじめまして

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ページ番号1017802  更新日 令和5年5月13日 印刷 

就任のあいさつ(相談員)

李相談員
李相談員 イラスト

 はじめまして、4月から相談員になりました、李美蘭(りみらん)です。 

 ん?…李?…珍しい名字だな…と思われたかたもいらっしゃると思います。
 そうです。私は日本人ではなく在日コリアン4世です。曾祖父母の代に朝鮮半島から日本に渡ってきたので、私のルーツは朝鮮半島にあると言えます。しかし、祖父の代から生まれも育ちも日本です。日本で生まれ育った私が、どのように自分のルーツを知ったかというと、幼稚園から大学まで朝鮮・韓国の民族学校で過ごし、そこで言葉や歴史、文化を学びました。

 今でこそ、ここで堂々と書いたり「韓ドラを字幕無しで観られます」と言ったりしていますが、子どもの頃は「どうして私は周りと違うんだろう」「日本で生まれるなら日本人がよかったな」と思ったこともありました。しかし、今はそのようなことをあまり思わなくなりました。その理由を考えてみると、同じ仲間に出会えたから、歴史や社会を知っていったから、近年「多様性」を尊重すべきという風潮が出てきたから、自分のルーツに対して「かっこいいね」と言われたから…など沢山あります。振り返ってみると、様々な出来事や人との出会いが、自分に影響したのだと思います。楽しい心地のよい体験だけではなく、苦しいことや悔しいこと、悲しいこともありました。しかし、それら全てが今の自分を形作っていると思います。

 話は変わりますが、「出会い」というと私の人生の中で、忘れられない出会いがあります。それは保健室の先生との出会いです。中学時代の私は勉強も部活も頑張りたくて、家でも学校でも「しっかりしなきゃ!」「頑張らなきゃ!」と自分で自分の首を絞めていたと思います。学年が上がるにつれて、頑張っても思ったような結果が出ず限界に近づいてきた時、新しい保健室の先生がやってきました。
 初めて会った先生に「学校の先生たちは“頑張れ!” “もっと上を目指そう!”と言うかもしれないけど、ここでは、ありのままのあなたでいいんだよ。頑張らなくてもいいんだよ。」と言われました。それを聞いて、フッと心が軽くなったように感じました。その日から、何もなくても保健室へ立ち寄り、先生と話をして、息抜きをしていたように思います。話すことで楽になるんだな、頑張る時と息抜く時のバランスが大事なんだな、親や先生ではない人だからこそ話せる内容があるんだなと感じた体験でした。

 自分の経験した出来事を誰かに話すことは、簡単なことではないと思います。辛い体験なら、なおさらです。この文章を読んでいるかたの中には、今、まさに辛くて、「こんな目に遭うんじゃなかった」、「明日のことなんて考えられない」と思っているかたが、いらっしゃるかもしれません。話すことで、周りにばれて恥ずかしい、もっと事が大きくなったら嫌だ、周囲に心配をかけたくない…と思うことは当然の思いです。一人でじっくり考えることが必要な時もあります。それでも私は、親でも教師でも友達でもない、保健室の先生に話すことで楽になった経験をしました。一人で抱えられないほどの辛さを、肩代わりすることはできませんが、話すことで、一緒に考えて一緒に抱えることはできると思います。

 もし、今、感じていることを話したいな、でも関係が近い人には言いにくいなと思っているかたがいれば、オンブズパーソンに電話をかけたり手紙を書いたりすることも、選択肢の中に入れてみてください。もちろん秘密は守りますし、相談してよかったなと思えるように、他の相談員やオンブズパーソンと協力して、取り組んでいきたいと思います。

 ニックネームは「らんちゃん」です。名探偵コナンや、うる星やつらに出てきそうなニックネームですね。 これから、よろしくお願いします。

執筆 相談員 李  美蘭

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