子どもオンブズ・コラム令和2年11月号 飾らない自分

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ページ番号1011989  更新日 令和2年12月2日 印刷 

飾らない自分

イラスト
   古瀬相談員のイラスト

 私事ですが、最近3kg痩せました。ジムに通い始めて4カ月、なんとか成果が出てきました。ジムで体を思いきり動かすようになって気付いたことがあり、私自身について振り返りたいと思います。
 私はお調子者で、人に構われること、笑ってもらうことが好きです。さて、いつからこの性格になったのかと考えると、小学生高学年から中学生までの間に次第に形成されていったように思います。大きなトラブルもなくのびのびと過ごしていた私に転機が訪れたのは6年生の時でした。6年生で人生初めてのあだ名が付いたのですが、それは少し不本意なものでした。そのあだ名を発端にいじられキャラになりつつある中、芸人みたいでいやだなと思う反面、みんなに構ってもらって嬉しい気持ちも確かにあり、葛藤しながらも次第に後者の気持ちが勝っていきました。中学進学後も同様で、みんなに喜んでもらえるにはどうしたらいいか、と常に考えるようになった結果、他人からの視線とその反応に敏感になったのだと思います。そのため、お調子者な半面、人の目を過度に気にするようになりました。
 ジムの話に戻りますが、私がジムの中で一番楽しみにしているのが、30人程度で一斉に受けるダンスレッスンです。ダンスと言ってもフィットネスに近いですが、そこには年齢も性別も、体型も服装もバラバラな人たちが集まって、みんな一生懸命インストラクターについていっています。人目を気にする私は、ふとレッスン中に鏡を見て「こんな気持ち悪い動きしてるの見られるなんて恥ずかしい」と思ったことがあります。でもそんな思いはすぐに消えました。みんな自分のことに必死で、誰一人として私のことを見ている様子はないし、また自分がどう見られているかを気にしている素振りもなかったからです。それぞれにジムに通う目的があって、自分の目標を目指して励んでいるこの場所では、他人からどう思われているか、気にしなくていいのだということ、つまり、人の目を気にする性格は、抑圧された学校生活の中で作られたものだと気付きました。
 学校という場所は特異です。ジムのように多様な人たちがそれぞれの目的のために自主的に集う場所ではなく、生まれた年を基準に集められた半強制的な集団で、ほとんどメンバーに変化がないまま数年間を共にします。子どもの頃は、学校という閉じた空間、閉じた人間関係が絶対的な世界で、その中で自分はうまく立ち回れているかと、常に自分の位置取りに気を使わざるを得ません(特に思春期女子の人間関係は複雑になってきます・・・)。自分にとっては不本意なキャラクターを演じたり、周りと無理やり歩調を合わせたり、苦痛に思うこともあるでしょう。しかし、それはたまたま学校という場でそう扱われるだけであって、学校以外の場所に一歩踏み出せば、無理をして演じていたキャラクターは必要なくなるかもしれません。学校以外の場所で飾らない自分を出せる場所があれば、気持ちがすっと楽になる時間がある。オンブズでの相談が、そんなひと時になれたらいいなと思っています。

執筆:相談員・古瀬 悠(ふるふる)
 

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