子どもオンブズ・コラム 令和4年5月号 はじめまして

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ページ番号1015276  更新日 令和4年5月24日 印刷 

就任のあいさつ(相談員)

新田相談員
新田相談員 イラスト

はじめまして、5月から相談員となりました。新田順子(にったじゅんこ)です。

私は、これまで学校や障がい者支援事業所などで、さまざまな形で障がいのある人や子どもたちを支援する職務に従事してきました。特に自閉スペクトラム症の人や家族の支援を主に行い、地域での生活をはじめ、学校での特性に応じた環境整備、そして多様な経験をするためのプログラムの一環として、海外への旅の支援などを行ってきました。

昨年は、その中の1つである海外への旅の支援について、コロナ禍の今できることとして、オンラインを活用したZOOM旅を企画、実施しました。その旅は、学校や自宅のパソコン端末を使って行い、特別支援学校の生徒たちや高等学校の生徒たち、あるいは大学院の学生が参加し、リアルタイムで海外の企業とつながり、双方向にコミュニケーションをとりながら、現地の様子を知るものでした。旅のはじめには、ドローンによって、世界遺産でもある島々や青い空、透明度の高い海を上空から眺めることができました。そしてスピーカーからは、椰子の木など木々のゆれる音や風、そして南国の鳥やイルカといった生き物の声や動きから鼓動を感じることができました。ツアーの中で、参加した子どもたちが、トレーナーの指導を受けながらイルカたちにジャンプのサインを出すといったことにも挑戦しました。また、その国独自の食べ物の紹介や日本とつながりが深い言葉の紹介もありました。このように、オンラインの旅とはいえ、さまざまなツールを活用して、生き物の生態を知ることや文化を知ること、さらに環境教育を体験することができました。これは「コロナ禍で海外旅行に行けない」という困ったことに着目するのではなく、「どのように」すればその国へ旅ができるのかという方法を考え実施したものでした。

私は、支援を行う上でこの「どのように」の視点をとても大切にしています。困難なことに対して「なぜ」と捉えると原因探しになりがちですが、「どのように」と捉えれば、方法や工夫を考えることにつながります。例えば、子どもが教室に入ることに不安があるなら、どのようにすれば不安感が減少するのかを一緒に考え、座席を後ろにすることや、扉の近くにするといった環境整備を行うことができます。人の視線に不安を感じるときは、パーティションを使って安心できる空間をつくる工夫ができることもあります。急な予定変更やルールどおりではないことに不安があるなら、教員や指導者が事前に予定変更を伝えることや、ルールが変わったことを伝える方法があります。不安のない人は一人もいません。不安に対して、安心できる方法を、じっくり一つひとつ、一緒に考えていきたいと思います。

新型コロナウイルスによって、さまざまなことが変わりました。簡単なのになかなか実現されることがなかった、自宅と学校、あるいは自宅と海外企業とがオンラインでつながり行う学習会などは、当たり前となりました。それはコロナ禍によって外出できないという困難さを解消するために、「どのように」と考え、見つけたひとつの方法でした。その方法によって実施したオンラインツアーは、通常の旅とは全く違うものの、生徒たちが臨場感を感じることができた貴重な経験となりました。「どのように」の視点で考えることで、困難さを方法や工夫で乗り越えることができます。全ての子どもたちが、自分の苦手なこと、得意なことといった特性に応じて、不安や困難を解消するために「どのように」という視点で方法を考え、学校や地域に必要な環境整備を伝えて、社会や学校もそれに応えることが当たり前になってほしいと思います。困難はHOW TO(方法)で解消し、才能は社会で活かすことができます。

これから、川西市の子どもたちに寄り添い、「子どもの最善の利益(子どもにとって、いちばんいいこと)」を一緒に考えていきたいと思います。ニックネームは「たまちゃん」です。これは以前の勤務先の名前に由来しているのですが、取引先のかたが読み方を間違えたことにより定着した愛称です。ぜひ気軽にお声がけください。

執筆 相談員 新田 順子

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