子ども・オンブズコラム平成26年6月号 温もりのある人間関係に感謝(井上オンブズ)

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ページ番号1001708  更新日 平成30年3月8日 印刷 

温もりのある人間関係に感謝(井上オンブズ)

井上オンブズの顔イラスト
似顔絵:井上寿美オンブズパーソン

 5月14日から右足をギプスで固定し、両松葉づえで生活しています。右足関節を骨折したからです。原因は不注意による駅構内での転倒。実は、骨折したのは5月11日だったのですが、それから3日間は、痛い足をひきずりながら歩いて通勤していました。骨折すると歩けないものだと思い込んでいた私は、歩けるのだから捻挫に違いないと勝手に判断してしまったからです。
 14日、仕事の帰りに、念のためにレントゲンだけは撮っておこうと思い、軽い気もちで整形外科を受診しました。ドクターからは「きれいに折れてますね。あと3ミリずれていたら確実に手術ですが、どうされますか?」といきなり尋ねられました。心の準備がまったくできていなかった私は、とにかく急に仕事を休むわけはいかないと考え、とりあえず「手術をしない場合は?」とドクターに尋ね、入院をしないでも済むギプス固定を選びました。

 それにしても、両松葉づえでの移動がこんなに大変だとは思ってもみませんでした。以前、駅で、いかにもスポーツマンタイプの若い男性が、片足をギプスで固定し、さっそうと松葉づえで歩いているのをみかけたことがありました。そのため、松葉づえさえあれば日常生活は、それほど無理なくできるものであると愚かにも思い込んでいたのです。ところが実際には、それはもう大変。腕の力がないという個人的理由はもとより、駅のエレベーターはどうしてあんなに奥まったところにあるのだろうと悲しくなってしまいます。エレベーターのあるところまで「遠出」するくらいなら、歩く距離を短縮するために階段を使った方が楽だとさえ思ってしまいます。また、エレベーターを降りると、そこは女性専用車両、ということもありました。私は女性だから問題はないけれど、もし男性であれば、ここでもまた余分な移動が強いられるのでしょう。その他、松葉づえはハの字型に開いて使用するため、階段幅の狭いエスカレーターではとても怖い思いをします。障がいのある人たちも外出を楽しめるような「まちづくり」を実現するには、まだまだ改善しなければならないところがたくさんあるようです。

 もちろん、困ったことばかりではありません。骨折したおかげで、私がどれほど温もりのある人間関係の中で生きていたのかということも改めて実感することができました。オンブズパーソンのスタッフ、勤務先の大学の教職員や学生など、周りにいる人のやさしさを身にしみて感じます。また、トライやる・ウィークでオンブズパーソンに来てくれた中学生のみなさんにも、会議室への移動のさいにリュックを持つなど、いろいろと助けてもらいました。電車の優先座席は、多くの方々に快く譲っていただきました。
 たくさんの温もりのある人たちに支えられている私だからこそ、オンブズパーソン以外の日は、兵庫県の西の端にある大学まで通勤し、なんとか仕事も生活もできているのでしょう。ドクターからは全治4週間~6週間と言われています。今は、手で荷物をもつこともできないし、電車の中で立っているのはとても危険です。雨の日は傘を持てないのでとても困ります。だから、とにかく無理をせず、みなさんのご厚意に甘えようと思っています。

 ひとりではどうしようもなく困ったとき、思いきってSOSを出してみてください。きっと誰かがあなたのSOSに気づいてくれる、ケガをした今、改めてそう思います。

執筆:オンブズパーソン・井上寿美
 


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