子ども・オンブズコラム平成24年12月15日号
ページ番号1001725 更新日 令和5年3月23日 印刷
「助けて」と言い合える関係
先日、近隣市での人権フォーラムに招かれ、いじめ問題にかかわって、川西市のオンブズパーソンの活動について話をさせていただく機会がありました。ひととおり話し終えたところで、司会の方から「子どもにどんな力を積み上げてほしいですか?」という質問を受けました。改めて「子どもにどんな力を?」と問われると、なかなか難しいなと思います。ただ、私自身がオンブズでの活動を通して、本当に大切だと実感するようになったことがあります。
それは、困った時、誰かに助けを求めることができるかということです。子どもであれ、おとなであれ、人は生きていく上で、いろいろなトラブルや困難にぶつかります。時には、自分の努力だけではどうしようもなくて、先が見えなくなることもあります。一人で悩みを抱え込んでいると、どんどん苦しくなって、まるで世界で一人ぼっちにされているような不安におそわれるかもしれません。しかし、誰かに「助けて」と言えることで、一緒に考えてくれる人が現れたり、自分は一人ぼっちじゃないんだと実感できると、元気がわいてくるし、解決の糸口を見つけ出せることがあります。
誰でも得意なこと、苦手なことがあるのは当たり前だし、困っている人がいれば手助けすることも、自分が困っていれば誰かに助けてもらうことも、生きていくうえでは当たり前であるはずです。しかし、私たちの社会では、一人でできることの大切さを強調するあまり、周囲に助けを求めること自体が、勇気のいること、恥ずかしいことであるかのような雰囲気がつくられているように思います。勇気を出して相談しても、話を聞いてもらえなかったり、努力が足りないなどと言われたりすると、傷つきます。わかってもらえなかったらどうしようと考えはじめると、相談することもためらってしまいます。
この人ならきっと気持ちをわかってくれる、話を聞いてくれる、一緒に考えてくれる。お互いの信頼関係が根っこにあることで、人は安心して「助けて」と言えるのだと思います。また、助けを求められた側にも、相手の話をじっくり聞き、一緒に考えられるだけの時間的、精神的なゆとりが必要だといえます。
このように考えると、大切なのは、学校、職場、家庭、地域で、お互いに「助けて」と言い合える人間関係をどのように築いていくのか、そのためにも、私たち一人ひとりがゆとりをもって暮らせる環境をどのようにつくっていくのかということなのだと思います。自分でできることは自分でする。できないことは堂々と人に助けてもらう。とてもシンプルで、とても難しいことです。それでも、おとなが日々の生活の中で「できないことは恥ずかしいことではない」「助けを求めればきっと誰かが助けてくれる」と、実感をもって、胸をはって子どもに示すことができれば、「助けて」と言い合える関係づくりへの大きな一歩になると思います。
執筆:相談員・渡邊充佳
視察を受けました
5月18日(金曜日):埼玉県朝霞市議会 民生常任委員会
7月3日(火曜日):青森市議会 文教経済常任委員会
8月10日(金曜日):大阪府泉南市教育委員会
8月16日(木曜日):開成高等学校(東京) 社会科研究部
8月17日(金曜日):滋賀県議会 対話の会・しがねっと
8月21日(火曜日):鳥取市議会 公明党議員団
9月7日(金曜日):青森市健康福祉部子どもしあわせ課
10月10日(水曜日):埼玉県鴻巣市議会 みどりの会・滋賀県教育委員会
10月17日(水曜日):東京都多摩郡瑞穂町 厚生文教常任委員会
11月6日(火曜日):高槻市議会および島本町議会
11月12日(月曜日):栃木県足利市議会
11月14日(水曜日):滋賀県町村会・教育次長会議
11月20日(火曜日):川西市立多田東小学校PTA
11月21日(水曜日):自治体青年政策ネットワーク(全国若手地方議員有志)
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