子どもオンブズ・コラム 令和5年8月号 はじめまして

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ページ番号1018233  更新日 令和5年8月22日 印刷 

就任のあいさつ(相談員)

井口相談員
井口相談員 イラスト

 はじめまして。8月から相談員になりました井口由紀子(いぐちゆきこ)と申します。
 大阪府で生まれ育ち、川西市にじっくり関わるのは今回が初めてとなります。相談員の仕事も始めたばかりでまだまだ勉強中の身ですが、オンブズに関する資料を読んでいく中で、自分にも「相手に寄り添うことの大切さ」について思い当たる経験があることに気が付きました。

 私には中学から大学の頃、持病であちこち病院通いをしていた時期がありました。今でこそ自分に合う薬が見つかりましたが、当時は悪化への不安や増える薬、そして何より思い通りにならない自分の体にずっとイライラしていたことを覚えています。
 そんなある日、いつもの診察室で検査結果を待ちながら担当の先生と雑談をしていた時のことです。私の口からとっさに「今の薬は嫌だ」という言葉がこぼれてしまいました。 その薬は、先生も効果に期待を寄せる新薬でした。しかし、当時の私の体調では効果よりも他の副反応が辛く、苦しさの方が大きかったのです。
 うっかり不満を口にしてしまったものの、治療に非協力的な患者だと思われたのではないかと心配になった私に返ってきたのは、「では、元の薬へ戻しましょう」というあっさりとした先生の言葉でした。更に、「あの薬は副反応に耐える余裕のできた時でいい。命に関わらないのなら待つのも治療だ」とも言ってもらえたのです。おかげで、その後も私は通院を継続することができ、半年後には症状も改善しました。

 治療は医師と患者の二人三脚、患者が逃げ出すとゴールにはたどり着かない。この考え方はきっと相手に寄り添う相談員の活動にも当てはまることだと思います。
 心が苦しい時に、新しいことを始めるには途方もないパワーが必要になります。時には、勇気を振り絞って始めたものの、「こんなに辛いならやらなければよかった」と途中で投げ出したくなることもあるでしょう。そんな時に「これが一番正しいことだから」と前へと急かすだけでは、心も体も疲れ切って動けなくなるかもしれません。時には遠回りも覚悟で一緒に一歩進んで二歩下がるのも、また一つの答えの見つけ方なのだと思います。

 がむしゃらに結果を追いたくなる時、気が急いた時、私は常にこの経験を頭に置きながら、相手と向き合い、じっくり物事に取り組める相談員になりたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。

執筆 相談員 井口 由紀子

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