教育長メッセージ「議論する力」
ページ番号1020445 更新日 令和6年10月28日 印刷
教育長メッセージ「議論する力」
多田中学校生徒と教育委員会の意見交流会
10月18日、川西市立多田中学校で「生徒と教育委員会との意見交流会」が開かれました。提案は三つ、「タブレットPCのサイトブロックの基準について」「製氷機の設置」「長期休みの学校開放」でした。多田中学校はテーマによって有志のグループを作って提案するという形式を取ったためか、対面には多人数の生徒が集まっていました。
「タブレットPCのサイトブロック」では、せっかく興味を持ったテーマについて情報収集しようとしても、学校のタブレットPCのセキュリティ(安全・保護のための危険排除)が厳しく、TVの長寿番組に出ているネコ型ロボット(こう言うとわかっていただけると思いますが…)を調べようとしても、「漫画・アニメ」という理由でブロックされて、結局私物のPCかスマホで調べなければならない、もっとブロックを緩やかにしてほしいというものでした。私から生徒一人ひとりの私物のPC・スマホのセキュリティ状況を尋ねると、多くの生徒がセキュリティをほとんどかけていないという回答でした。「私物ではかかっていない(またはかかっていても学校基準より緩い)セキュリティが、なぜ学校でかけられているのか」という問いに対して、それぞれの生徒が話し合い、「セキュリティを緩やかにすると、授業中に遊んだり違うことをする可能性がある」という回答がありました。
本質的な問題は、起こる可能性のある生徒の課題や失敗を、予め回避するためにおとな(この場合教職員)がルールを作り、それを守らせるという構図にあると思います。もちろん重大な事案や危険などについて、おとながルールを作る必要のあるものもありますが、主体的に課題に取り組みそれを解決するための納得解を創りだす力を生徒のみなさんが身に着けていくためには、自分たちでルールを作りそれを運用するという発想が必要だと思います。そして同時にそれはルールを守ることの責任を負う大切さも学ぶ機会となります。ちょうど各教室を巡回していた市長が同じ趣旨の話をしていたという偶然もあり、ぜひ多田中学校でも実践してほしいなと感じました。他市では生徒会組織に「デジタル委員会」を作り、自分たちでIT機器使用のルールを考えるとともにその活用も考え、映像による昼食時の放送や番組作り、地域のかたがたへのデジタル活用相談などに取り組んでいる事例があります。ぜひ市内中学校でそういった実践にチャレンジするところが出てほしいと思います。
他の提案である「製氷機」についてはその必要性の根拠や必要台数及びコストなど、「学校開放」についても施設管理や安全性などについて、私から割と厳しい質問をさせていただきましたが、必要に応じて話し合いながら自分たちの意見を堂々と述べていたことが印象的でした。社会においても学校においても議論する場面が減り、安易に多数決で決めてしまったり、感情的になって主張が混乱したりする場面がSNSなどでも見られますが、少なくとも多田中学校の生徒のみなさんには「議論する力」がしっかり身についていると感じました。だからこそ、今日の提案に限らず、意見の交流を基本にぜひ何らかの実践に取り組んでほしいと期待しています。
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