教育長メッセージ「継承するもの」
ページ番号1023477 更新日 令和7年12月23日 印刷
「継承されるもの」
教育長メッセージ

前週の川西市立東谷中学校に引き続き、11月14日に川西市立川西中学校3年生と市長・教育委員会との意見交流会が開催されました。提案は「熱中症警戒アラートが出ているとき今後プールに入ることができないのか」「川西中学校として、今後自転車通学は可能でしょうか」の二点でした。
昨年度に引き続き今年度も今までにない猛暑となり、兵庫県にも熱中症警戒アラートが発出される日が増加し、学校園所の教育活動もかなり制約されました。そんな中でなんとか普段通りの教育活動ができないかという、生徒の皆さんの切実な提案だったと思います。解決策として、(1)熱中症警戒アラートを基準とするのではなく、その場のWGBTで判断、(2)市民プールなどの活用、(3)そもそも暑くてもプールに入る、という三つの意見がありました。
まず(3)については、水泳中においても熱中症は起こるという事実を報告させていただきました。熱中症は汗のかきにくい環境の中で体内に熱がこもることによって引き起こされます。水泳などで水の中にいても気づかないうちに汗をかいている状況なので、水泳中でも熱中症は起こります。現に日本スポーツ振興センターなどのホームページを参照していただくと、水泳中の熱中症事故が報告されています。
次に(1)について。川西市教育委員会では、熱中症警戒アラートが兵庫県に発出されている時の校外活動を原則禁止としています。もちろん活動現場のWBGT(暑さ指数)を計測して、25以上で「警戒」、28以上で「厳重警戒」、31以上ならば「危険」と判断し、31以上で活動中止とするということは大原則です。しかしそれだけの判断であるならば、そもそも熱中症警戒アラートを発出する意味はどこにあるのでしょうか。
国が出しているリーフレットには、「熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境となると予想される日の前日夕方または当日早朝に都道府県ごとに発表され」るとしており、発表時は「外出はできるだけ控え、暑さを避けましょう」「外での運動は、原則、中止/延期をしましょう」など、徹底した予防行動を呼びかけています。そのような発出環境の中で外で活動や運動をする危険性を考えたとき、たとえWBGTが31未満であっても活動を取りやめることが優先されるべきと考えています。特に学校園所の教育活動や部活動・地域クラブの活動の中で、子どもたち自身が「活動を止めたい」と指導者に訴えることが果たしてできるのか、私たち大人も立ち止まって考えるべきだと思います。
(2)市民プールなどの活用については、来年度新たに市内全小学校で民間プールを活用し、屋内で水泳授業を行うこととしています。中学校での水泳授業への導入にはまだ時間がかかるかもしれませんが、引き続き協議は続けていきたいと考えています。 同じく自転車通学についても、来年度以降、順次計画的に拡大していく方針です。
残念なことに、川西中学校では25年以上前に部活動中の熱中症事故が起こり、尊い命を失うという事案がありました。そのときの「二度と起こしてはならない」という想いを忘れぬよう石碑を建立し、石碑裏面に教職員の決意を文字として刻んでいます。年数が経っても、いや年数が経った今だからこそ、私たち一人ひとりがもう一度その決意を新たにし、継承していかなければならないと私は考えています。
より良いウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。
このページに関するお問い合わせ
教育推進部 教育総務課
〒666-8501 川西市中央町12番1号 市役所3階
電話:072-740-1256(就学担当)・072-740-1241(教育総務担当) ファクス:072-740-1327
教育推進部 教育総務課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。