令和6年2月16日 挑戦する教職員
ページ番号1019079 更新日 令和6年2月22日 印刷
挑戦する教職員
教育長メッセージ
子どもたち全員が、「同じ時間配分」で「同じ内容」を「同じ方法」で一斉に学習するだけでは無理ではないか。文部科学省などが現在提唱している「個別最適な学び」は、従来の授業におけるこういった素朴な疑問に対して提示された授業のあり方です。考えてみれば子どもたち自身の興味や経験、理解の過程などは、私たちおとなと同じように一人一人違っているのは、ある意味当たり前のことかもしれません。これからの子どもたちには学ぶ内容だけでなく、学ぶ意欲や学び方そのものを「学ぶ」必要があると言えるでしょう。私としても、一斉授業だけの進め方では子どもたちに本当に身につけなければならない「学び」が定着しないのではないかと、さまざまな場面でお話ししてきたところです。
今日訪問した川西市立多田東小学校では3年生の国語の授業「私の宝物」という単元において、自由進度学習が行われていました。授業を拝見してまず感じたことは、教員が全体の学習計画をガイダンス(概略的説明)を行うものの個別の細かい作業手順などは簡略化するなど、子どもの主体性を大事にしようとする姿勢が見られたことです。実はこれが意外と勇気が必要で、ついついおとなは子どもの失敗やつまづきを心配して、あれやこれやと口を出したくなるのですが、個別に学ぶ過程の中で必要最小限の助言や支援を行おうとしていました。もう一つ感じたのは、子どもたちがそれぞれ本当に集中して自分の学習に没頭していたことです。タブレットやノートなど自分に合った学習方法を自分で選択し、一人で考え、わからないところは友達に尋ねたり教員に質問したりして、自分のペースで学びに挑んでいたことです。
また、特筆すべきはこの実践が教員個人ではなく学年集団として取り組まれていたことです。集団として取り組むことで、学びは共有化されると共に批判と援助を経てより深い学びとなっていきます。私が授業見学している最中にも、同校の他の教員が見学に来ていました。学校全体を見ても、教職員が非常に活気に溢れ、「学び続ける」「学び合う」といった職場の同僚性を強く感じました。教育の世界ではよく「不易流行」という言葉が使われますが、何よりも子どもたちの学びを深めるために、教職員が互いに切磋琢磨することが、教育・保育現場で今求められていることだと私は思います。
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