広報かわにしmilife(みらいふ)2020年3月号特集 施政方針と予算案(ホームページ版)
ページ番号1010134 更新日 令和2年3月26日 印刷
新モデル始動
市民と共に歩む行政
越田謙治郎市長が施政方針を表明
川西を市民と変える
1年余りの市政運営を振り返って改めて感じることは、住宅都市としての魅力に加え、「市民力の高さ」が市の財産だということです。令和元年度に開催した「かわにし市民会議」や「タウンミーティング」では、多くの市民が第2次総合戦略作りに関わりました。その中では、行政の発想だけでは生まれない意見や提案もありました。
今後、多様化する社会課題は、行政の発想だけでは解決できません。市民の力が、今まで以上に必要になります。
市長に就任した時、「私は変えるためにこの場所に立っている」と話しました。今では、これまでの経験から、市民と一緒なら川西を変えられると確信しています。
多くの市民は、きっかけがあれば市政やまちづくりを「自分事」としてとらえ、主体的に行動できるからです。
新年度は第2次総合戦略が始まります。全国的に人口減少や高齢化が進む中、人口増加を目的とした住民の獲得競争には注力しません。市民の幸せを大切にし、住み続けてもらえるまちの実現をめざしていきます。
その際、市民と検討しながら取り組む必要がある事業については、市民会議の参加者を含めた「(仮称)かわにし協働プレーヤー」と検討しながら進めます。市民と協働することで、今の市民を大切にする新しい川西モデルを構築していきます。
事業を検証して財政を健全化
2年度は財政健全化の集中期間の2年目です。財政健全化条例の理念に基づき、将来の市民へ過度な負担を残さないよう、計画的で秩序ある財政運営を行っていきます。
当初予算では、約12億円の財源不足が見込まれます。元年度に行った事業再検証による95事業の見直し結果を実行に移すとともに、補助金や使用料、手数料についてもゼロベースで見直し、3年度から新しい補助金制度をスタートさせます。
また、事業再検証を継続し、財政健全化の早期達成をめざすとともに、職員が主体的に継続して事業の見直しを行う組織風土を定着させます。
先進技術の活用と民間事業者との連携
2年度はこれまでの行政の役割分担にとらわれず、新たな仕組みや連携を通じて、能動的に「変える」ため、具体的に行動していきます。
また、AIやICTなどの先進技術を取り入れ、市民サービスの向上につなげるため、民間事業者との連携を進めます。さらにそれらを施策の実施や組織の人材育成にも生かしていきます。
新年度も市民と情報を共有しながら対話を重ね、市議会とも十分に議論しながら市政運営を行っていきます。
令和2年度予算案
一般会計歳入 不足分12億円は貯金から取り崩し
市税収入など使い方が制限されない一般財源総額は、前年度よりやや増える見込みです。市税では税率改定に伴い法人市民税が減少する一方で、家屋の新・増築による固定資産税の増加を見込んでいます。収支の不足分にあたる約12億円は基金(貯金)から取り崩すこととしています。
(注)グラフ中の数値は、端数の関係で合計が一致しない場合があります
言葉の意味
市税:市民が納める税金、国庫支出金:国が使い道を限定して交付するもの、地方交付税:国が自治体の財源不足を補てんするため交付するもの、市債:国や金融機関から借り入れるもの、県支出金:県が使い道を限定して交付するもの、地方消費税交付金…消費税の一部が交付されるもの、繰入金:基金などからの繰入金(貯金の取り崩し)、その他:施設の利用料金や保育所入所者の負担金など
一般会計歳出 経常的に支払うものが大部分
歳出では、医療・介護・子育てや公共施設の老朽化対策など、市民の暮らしを守るため経常的にかかる費用に予算の大部分が使われます。
民生費は障がい者支援(約38億円)や、保育所・こども園の運営支援(約37億円)を中心に社会保障関連経費が増加し、約231億円(全支出の41.3%)。土木費は花屋敷団地の建替(約12億円)などが増加し、約68億円(全支出の12.1%)と大きな割合を占めています。
(注)グラフ中の数値は、端数の関係で合計が一致しない場合があります
言葉の意味
民生費:医療や高齢者福祉、子育て支援、生活保護など、土木費:道路や市街地、公園などの整備や交通安全など、衛生費:保健・医療や環境対策、ごみ処理など、総務費:文化・スポーツ振興や選挙、市税賦課徴収など、公債費:国や金融機関から借り入れた市債の返済、教育費:小・中学校教育や生涯学習、文化財など、消防費:消防や救急、防災対策など、その他:議会運営や商工業・農林業の振興など
新年度の主な事業
教育・子育て
タブレット端末を1人1台 プログラミング教育に対応
市内の全小・中学校と特別支援学校に学校通信ネットワークを整備。新学習指導要領でプログラミング教育が本格化する小学5・6年生に加え、中学1年生に1人1台分のタブレット端末を配備します。プログラミング教育以外にも、タブレット端末で利用できるデジタルドリルに残った学習記録を活用し、個人の学習状況に応じた支援を行います。また、タブレット端末で意見や答えなどを共有することは、「主体的・対話的で深い学び」を助けます。そして、令和2年度採用の教科書には多くの2次元コードが使用されており、参考資料や動画を見ることができます(4億5,249万円)
外国語指導助手を増員 全小学校・中学校の英語教育を支援
児童・生徒の英語力向上のため、外国人の指導助手を市内の全小・中学校に1人ずつ配置します(1,950万円)
育成クラブの時間延長 働く保護者の負担を軽減
留守家庭児童育成クラブの開所時間を拡大(1,704万円)。また保育の質を向上させるため、クラブ運営マネージャーを配置します
重症心身障がい児向け 通所支援事業所の整備
重症心身障がい児向け通所支援事業所を市内で初めて開設する事業者の支援を行います(683万円)
子育て支援拠点の整備 すぐそばに相談・交流の場を
親子の交流の機会や子育て情報を提供し、保育士などが子育ての相談に応じる地域子育て支援拠点。清和台・明峰中学校区に同拠点を開設するため、運営主体を公募し、必要な開設支援を行います(3,218万円)
中学校給食実施への準備 安全安心な中学校給食の提供
令和4年9月からの中学校給食実施に向けて、川西南中学校第2グラウンドの一部を活用し、施設整備を進めます。給食は1つの給食センターで調理し、各学校へ配送。施設整備は民間資金やノウハウを活用するPFI方式で行います(683万円)
ICT(情報通信技術)の活用
多様な働き方を支援 新たなつながりや仕事を創出
起業家などが、各自の仕事や交流を行う「コワーキングスペース」の運営を支援します。コワーキングスペースは、起業家などが各自の作業や会議を行う事務所の機能を持ち、セミナーや相談、交流機会などの支援を行う場所です。新たな仕事の創出に向けて、インターネットを活用した仕事など、時代に適応した多様な働き方を後押しします(305万円)
新たな地域公共交通づくり 地域の交通体系を模索
地域公共交通の課題解決のため、大和地区でのオンデマンドモビリティサービス(予約型の乗り合い交通)の実証実験を通して、地域公共交通体系を支える新しい仕組みづくりを進めます(2,055万円)。電話やスマートフォンのアプリなどで事前予約すると、同じ時間帯に予約している人と組み合わせた経路が決まり、自宅近くまで迎えに来ます。バスよりも経路や時間の融通が利き、タクシーよりも料金が安いのが特長です
安全と安心
空き家の流通・利活用 景観や治安の悪化を防ぐ
空き家が放置され、住環境が悪化することを防止するため、住宅の処分や活用を相談できる空き家相談窓口を開設します。また、民間事業者と連携し、所有者と活用希望者をつなぐ空き家マッチング制度を導入する他、リフォーム助成制度の周知など、空き家の利活用を進めます(100万円)
ピロリ菌検査の実施 中学2年生が対象
中学2年生へのピロリ菌検査と除菌を実施します。胃がんの9割以上がピロリ菌感染によるものと考えられています。早期に発見・除菌することにより、胃がんの発症リスクを低減させます(377万円)
自動通話録音機を貸し出し 高齢者への特殊詐欺を防ぐ
振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害や電話勧誘によるトラブルを防止するため、高齢者を対象に自動通話録音機を貸し出します(100万円)
協働で進める総合戦略
市民と作り上げた「まちのありたい姿」
3年間で取り組む4つの戦略
総合戦略は、無作為抽出で選出された市民で構成する「かわにし市民会議」や7つの中学校区で行われた「タウンミーティング」、パブリックコメントの市民の意見を踏まえて策定しました。
今後3年間で、子どもたちの成長を支えあえるまちづくり、誰もが力を活かせるまちづくり、安全で安心して暮らせるまちづくり、愛着のもてるまちづくりの4つの戦略に取り組み、「何気ない日常に幸せを感じるまち」の実現をめざします。
その中から令和2年度の主な取り組みと市民からの提案を紹介します。
取り組みを毎年検証して公表
総合戦略の事業で、市民と検討しながら取り組むべきものは、市民会議の参加者を含む「(仮称)かわにし協働プレーヤー」と検討します。
また、学識経験者や市民などと毎年進捗状況を確認・検証し、公表します。
令和2年度の主な取り組みと市民からの提案
教育の専門職を増員 いじめや不登校、虐待を防ぐ
いじめや不登校、虐待を防止し、早期に解決するために、スクールソーシャルワーカーを各中学校区に1人配置します。また、不登校児童一人一人への支援を充実させるため、適応教室の相談員を増員し、学校との連携を強化します。
市民からの提案
いじめや不登校については、自分たちのまちの問題と捉え、課題解決に向けて学校や地域、関係機関との連携が必要
多様な働き方を支援 新たなつながりや仕事を創出
コワーキングスペースの運営を支援します。事業内容の詳細については上の「新年度の主な事業」へ。
市民からの提案
市内には働ける場所や求人が少ないため、自宅や市内でスキルを生かした働き方ができる環境づくりが重要
人材とニーズをつなぐ 地域活動などを活性化
(仮称)地域人材マッチング制度を試験的に導入し、年代を問わず活動したい人と地域などのニーズをつなぎます。
市民からの提案
シニア世代が多いため、シニア世代が子育て世代をサポートすることができるような仕組みが必要
子育て支援拠点の整備 すぐそばに相談・交流の場を
地域子育て支援拠点の開設支援を行います。事業内容の詳細については上の「新年度の主な事業」へ。
市民からの提案
保護者が慣れない育児で疲れ、自分で行動が起こしにくくなり、子育ての相談ができない場合がある。その結果、ストレスを抱え、社会からの孤立を感じてしまう可能性がある。気兼ねなく相談や交流、情報の共有ができる環境が必要
防災と救命の情報提供 災害時の市民の備えを支援
市民の災害への備えを支援するため、危険な場所や防災に役立つ情報を示した防災マップを紙面版、Web版ともに更新。紙面版は市内を3つのエリアに分けて作成します。
市民が緊急時に救命処置を行えるよう、普通救命講習修了者を「市民救命士」とする市民救命士制度を新設します。受講しやすい講習と、受講後も情報を取得できる体制を整えます。
市民からの提案
災害が発生した際、行政が迅速な救助や支援を行えるとは限らない。市民が自ら備え、住んでいる地域で助け合う関係を築くことが大切
事業の見直し
より質の高い行政サービスに向けて
- 廃止、一部廃止、休止 17事業
- 手法、内容を改善 74事業
- 拡充 24事業
(注)複数の項目にあてはまる事業あり
事業名と見直しの方向性
競技スポーツ推進事業
全国大会などへの出場激励金を廃止し、競技関係者へのより効果的な支援方法を検討(令和2年度予算影響額 -115万円)
在宅高齢者支援事業
介護保険制度で在宅高齢者に対する支援を行っていることから、日常生活用具の給付は廃止。理美容サービスは令和2年11月の実施をもって廃止。また、高齢者外出支援は利用者と事業者への実態調査を行った上で見直し(令和2年度予算影響額 -12万円)
障害者地域生活支援事業
リフト付き寝台タクシー料金助成は、近隣市の状況や制度運用の観点から上限額を設定(令和2年度予算影響額 -432万円)
福祉施設通園費助成については、市内事業所の整備が一定進んだことから、対象者を見直し(令和2年度予算影響額 -544万円)
住宅政策推進事業
親元近居助成制度を活用した定住・移住など、一定の成果があったが、本助成制度によって市への転入を決めたのかなど分析ができない部分もあり、本助成制度を廃止(令和2年度予算影響額 -605万円)
要保護・準要保護就学支援事業
経済的に就学困難な学齢児童生徒(準要保護)に対する就学支援は、現行の生活保護基準を基礎として見直し(令和2年度予算影響額 -1,299万円)
行財政改革
財政健全化をめざす
令和元年度から3年間を財政健全化の集中期間とし、行財政改革に取り組んでいます。2年度の行財政改革後期実行計画に基づく効果見込み額の合計は2億9669万円。主な取り組みは下の通りです。
民間の活用
市立川西病院の改革など(1億3,388万円)
業務の改善、事務事業の見直し
事務の効率化、協議会などの加盟や書籍の定期購読の見直しなど(3,609万円)
環境への配慮
文書や印刷などの見直し(100万円)
効率的で効果的な行政サービスの提供
適正な給与体系に向けた段階的な整理(5,185万円)
歳入の確保
広告入り市政情報モニターの設置など(152万円)
公有財産などの有効活用
市役所駐車場の民営化(350万円)
組織再編と人員配置
時代に対応した組織体制の見直し(6,885万円)
より良いウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください。
このページに関するお問い合わせ
市長公室 広報広聴課
〒666-8501 川西市中央町12番1号 市役所4階
電話:072-740-1104 ファクス:072-755-4145
市長公室 広報広聴課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。