平和は、人権を学ぶ教室から
ページ番号1024845 更新日 令和8年7月23日 印刷
平和は、人権を学ぶ教室から
教育委員メッセージ

川西市の教育委員は私を含めて5名。学校園所の現場を訪問・視察しながら、それぞれの知見を活かした研修や意見交換を行っています。弁護士である佐々木教育委員には、子どもの人権を中心にした研修会を開催していただいています。以下に教育委員としての考えや思いを書いていただいています。
「平和は、人権を学ぶ教室から」
争いや諍いは、意見の食い違いを調整できないところから始まることが多いのではないでしょうか。
令和5年に施行された「こども基本法」は、「こどもの意見の尊重」を基本理念の一つとして掲げました。しかし、「子どもの意見を聴く」とは、子どもの希望をすべて実現することではありません。大切なのは、子どもの思いを真摯に受け止め、その理由を丁寧に聴き、大人も判断の理由を誠実に伝え、対話を重ねることです。その積み重ねの中で、子どもたちは、自分の考えを表現する力と、異なる考えを受け止める力を身につけていきます。
学校などで子どもの人権について講演する際、「人権は誰かから与えられるものではなく、生まれながらに持っているもの」であることをお伝えしています。子どもも一人の人格として尊重される存在です。一方で、成長の過程にあるからこそ、大人には子どもたちを適切に大切に守り育てる責任があります。教育とは、権利を尊重することと、成長を支えることを丁寧に両立させる営みだと考えています。
ウクライナから日本へ避難してきた学生さんが、川西の子どもたちに、「戦争は、爆弾が落ちた日から始まるのではありません。人の命や尊厳が軽んじられ、違う考えを認めなくなった時から始まっています」と語ってくれました。その言葉は、弁護士として多くの紛争に向き合ってきた私にも、大きな気付きを与えてくれました。人と人との争いも、国と国との争いも、相手の声に耳を傾けなくなったときに深まっていくという点で、本質は決して遠いものではありません。
人権教育は、特別な時間に限って行われるものではなく、学校生活のあらゆる場面を通して日常的に行われるものであってもらいたいと思います。日々の授業や学級会、児童会・生徒会活動、友達との関わりの中で、自分の思いを言葉にし、相手の思いに耳を傾け、ともによりよい答えを探していく。自分と関わる人々の意見に耳を傾けることこそが、その相手の人格を尊重することにつながります。その経験こそが、民主主義を支える主権者としての資質を育み、平和な社会の土台にもなっていくのだと思います。
川西市が大切にしている「子ども主体の学び」や「対話」は、そのための教育です。子どもたちが安心して『私はこう思う』と言えること、そして友達の『そういう考えもあるね』に耳を傾けられること。その積み重ねが、他者を尊重する文化を育み、民主主義を支え、平和な社会へとつながっていくと私は信じています。
人権を学ぶことは、平和を育てること。これからも、一人ひとりが尊重される教育が実現されるよう努めていきたいと思います。
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