ごみ処理施設に係る建設及び運営の広域化への取組について

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ページ番号1001382  更新日 令和5年6月24日 印刷 

平成10年10月12日

新処理センター建設に係る基本方針の変更について

 新処理センター建設に係る方針につき、従前からの本市単独での施設設置の方向を改め、本市、兵庫県川辺郡猪名川町、大阪府豊能郡豊能町及び能勢町の1市3町共同によりごみ処理施設を建設し、運営を行う広域処理を基本として取り組みます。

広域処理を基本的方向とするに至った経緯

国及び県の動き

 ごみの焼却処理によるダイオキシン類の発生及び汚染が社会問題化する中で、厚生省は「ごみ処理に係るダイオキシン削減対策検討会」を設置し、その検討結果として、平成9年1月に「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」を発表しました。この中で、ダイオキシン類の発生を抑制していく今後のごみ処理体系として、ごみの排出抑制、リサイクルを徹底し、焼却量を削減するとともに、焼却については全連続炉による焼却を図ることとし、このため、全連続炉での焼却が困難な小規模市町村においては、隣接市町村が連携して、一定規模以上の全連続炉への集約化(広域化)を総合的かつ計画的に推進する必要があるとされました。
これを受けて、厚生省は、ごみ焼却施設に係る国庫補助採択基準を、原則1日処理量100トン以上の全連続炉に限るとともに、平成9年5月、ごみ資源化の推進及びダイオキシン類排出削減等を目的として「ごみ処理の広域化計画について」を各都道府県に通知したところであります。
また、県においては、この通知に基づき、平成9年5月に「ダイオキシン対策検討委員会」を設置し、この委員会に県内のごみ焼却施設の広域ブロック化等について具体的に検討する「ごみ焼却施設整備小委員会」を設け、平成10年4月、委員会報告に基づき「ごみ処理施設整備基本方針」を策定し、市町から提出される施設整備計画に基づき、今年度中に広域化計画を策定することとしています。

本市のごみ処理施設建設を巡る状況

 本市のごみ処理施設については、南部及び北部の処理センターの老朽化により、新しい処理センターの建設が必要となり、基本調査をもとに平成8年11月に新処理センター建設基本構想をまとめました。これまで、この構想に基づき建設予定地周辺の住民同意を得るべく、説明会、話し合いを継続してきたところであります。
この間、県における広域化計画の予備調査においては、本市と猪名川町を広域ブロックとする案の提示を受けたところであります。この案は、本市においては新しい処理センターを建設する場合、1日処理量100トン以上の施設となり問題はないわけですが、猪名川町においては100トン以上の施設とならないことから、同一ブロックとされたものであります。しかし、現行施設の建設時期に差があることから、本市単独での基本構想を立てた経緯もあり、また、この構想に基づき周辺住民との話し合いを続けていたことから、県と協議の上、広域ブロック案については、川西市は単独設置で整備を図ることとされたところであります。
一方、本市北部に隣接する大阪府豊能郡能勢町に所在し、豊能町と能勢町のごみを焼却している「豊能郡美化センター」周辺において、平成10年4月当該施設が原因とされるダイオキシン類の高濃度土壌汚染が明らかになり、市民に不安感が広がりました。そして、行政区域は異にするものの、あらためて環境を共有する同一地域であるとの認識を深めたところであります。
こうした状況の下で、本市と猪名川町、豊能町及び能勢町とは非公式に、様々な機会に広域化について話し合いをしてきました。また大阪府からも県を通じ働きかけがなされてきました。

広域処理を基本的方向とするに至った考え方及び経緯

 一般廃棄物処理行政は市町村の固有事務であり、このため、多くの市町村では、ごみ処理が市町村の区域内で完結する、いわゆる「自区域内処理」を基本として行われてきました。本市もこの例外ではなく、最終処分を除き、市内で処理をしてきたところであり、そして、次期の新処理センターの建設基本構想においても自区域内での単独処理とする方針で取り組んできたところであります。
しかし、ダイオキシン問題を始めとして環境への関心が大きく高まる中で、一般廃棄物処理に対する状況が大きく変化し、上述のとおり国・県の方針も広域化の流れとなり、また近隣町の状況を見るとき、本市のみの利害を考えるだけでは許されない状況となっております。特に、豊能郡美化センター周辺におけるダイオキシン類汚染の問題は、ごみ行政を執行するものとして看過できないものであり、同時に環境を共有する地域として、相協力して解決して行くべきものとの認識に立ったところであります。
こうしたことから、ごみ処理施設の建設及び運営については、兵庫県川西市、兵庫県川辺郡猪名川町、大阪府豊能郡豊能町、大阪府豊能郡能勢町の1市3町の広域処理により行うことを基本として、今後具体の事項については協議を行っていくこととしたものであります。
今後、この方向に基づき、精力的に協議を詰め、成案をまとめお示しをしていきたいと考えております。

広域化のメリット、デメリット

メリット

  1. 全連続炉での長期連続安定運転により、ダイオキシン類の効率的な削減ができる。
  2. 集約化により高度処理施設の設置が可能となり、有害物質の排出を極力低減できる。
  3. 資源物の集約化により、リサイクルの効率的な推進ができる。
  4. 大規模施設による効率的な熱回収により、余熱利用の推進ができ、地球温暖化防止に貢献できる。
  5. 施設の集約化による建設経費、運営経費の縮減ができる。
  6. 広域化方針に合致し、国庫補助金の嵩上げが期待できる。

デメリット

  1. 設置する場所によってはごみ搬送距離が長くなり、搬送経費の増大と自動車排気ガスの影響が考えられる。

 今後、1市3町の協議において、ごみ処理施設の具体化を図って行くわけでありますが、こうしたメリットを最大限生かしていくとともに、デメリットについて十分対策を講じていき、全国の広域化のモデルケースとなるよう努力をしていく考えであります。

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