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〔子どもオンブズ・コラム平成29年12月号〕回り道での帰り道

更新日 平成29年12月28日ID番号 K22870印刷

回り道での帰り道

鈴木相談員の似顔絵
  鈴木相談員の似顔絵

 先日、浅田政志さんの「通学路 三重県」という写真集を手に取ることがありました。この写真集は、47都道府県それぞれに縁のある写真家が地元の通学路を撮っていくシリーズの一冊です。浅田さんの作品では、ピカピカに磨かれた泥団子や道路横の塀に積み重ねられたランドセル(子どもたちは近くの空地で遊んでいるのでしょうか)が印象的に写し出されています。
 自分の子どものころをふり返ると、学校の中のことと同じかそれ以上に、家から学校までの道のりが思い出されます。小学校のときは、ほかの子どもより家が学校から遠く、学区のほぼ端にありました。1、2年生のころは毎日が楽しく、登校班が変わるときは今まで話をしたことがない新しい友だちができるのを喜んでいました。ただ、住んでいた地域を3年ほど離れることがあって(帰ってくると同じ小学校でも友だち関係は一変していました!)、また、年齢が上がるにつれてクラスの人間関係が複雑になり、その流れについていけない私は、一緒に帰る友だちの顔色をうかがったり、それが嫌で一人で帰るようにしたり、一人が寂しくなってまた別の友だちを探したりと、学校からの長い帰り道が悩みの種となりました。
 中学校にあがったとき、住居のアパートから通りをはさんで目の前が学校だったこともあり、通学路問題は解消したように思えました。寝坊して遅刻しそうなことはあっても、5分かからない距離に思い煩う余地などないように考えていました。しかし、実際に通うようになって分かったことは、部活のことや勉強のこと、3年生になってからは進路のこと、他にも友だちと話したいことは山のようにあって、5分ではとても足りないことです。むしろ中学に入ってから話したいことは増える一方でした。ただ、学校の中での休み時間は友だちとプロレスごっこやサッカーに興じていても、なかなか自分の思っていることや困っていることを話すには周りの同級生の目もあって難しく、学校からの帰りに仲の良い友だちと連れ立っているときが一番気楽に話せるタイミングでした。そこで、自分の家を通り越して友だちの帰り道について行きながらおしゃべりをする(そのあと自分の家までてくてくと帰る)のが習慣になりました。しばしば友だちとのおしゃべりが過ぎて、「なんで帰りがこんなに遅いのか」と母から叱られましたが、この「回り道での帰り道」は卒業まで続きました。そして、それはとても幸福な時間だったように思います。
 こうして自分の子どもの頃をふり返ってみると、友だち作りがほんとうに苦手だったのだと気づかされます。おとなの目から見れば、学校からの帰り道くらい一人で帰ってもよかったのでは、あるいは、寄り道せずにまっすぐ家に帰ったらいいのに、と考える方もいるかもしれません。でも、学校から帰る時間ならその子とゆっくり話ができるかもしれない、話したいことがある、とその時の私は、やり方は拙かったかもしれませんが、一生懸命でした。自分の気持ちを話せる友だちを求めていました。
 オンブズの相談員として今、あのとき帰り道に一緒に話ができた友だちのように、何か伝えたいことがある子どもの思いに応えられる一人のおとなでありたいと思っています。

執筆:相談員・鈴木伸尚(すーくん)


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