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平成23年10月15日号

更新日 平成25年7月5日ID番号 K12243印刷

コラム「文化の担い手としての子ども」

   秋になると、「ああ、祭の季節だなぁ」と思う。
私の地元・大阪府岸和田市では、毎年「だんじり祭」が開かれる。実家を離れて暮らしている人々も祭の日には戻ってきて、親戚みんなで集まるという家庭も少なくない。「盆と正月と祭」というくらい、この地域で生まれ育った人々にとっては大切な行事である。
   この「だんじり祭」に欠かせない担い手として、重要な役割を果たしているのが、実は子どもたちである。
多くの子どもたちが、物心つかない頃から、小さな法被(はっぴ)を着せられて、太鼓と鐘が刻むリズムとビートを全身で受けとめ、親に手をひかれながら参加する。小学校に入ってからは、子どもたちは友だち同士で誘い合い、「子ども会」を通じて自らだんじりのひき手として参加する。町によっては、中学生になると「少年団」という組織の一員となり、一人前の立派なタスキを身につけて参加するようになる。
   中学を卒業したら、だんじりをひきたい子どもたち(特に男子)は、「青年団」に入団する。「青年団」では、1年を通して会合があり、祭の話で盛りあがる。祭の1か月前になると、子どもたちは毎日のように夕方、町の集会場に集まり、「花寄せ」(寄付金集め)と「走り込み」(かけ声の練習+ランニング)に精を出す。タテ社会の礼儀に厳しいルールの下で、年上の団員から、優しく、かつ厳しく、面倒をみてもらいながら、子どもたちは地域の文化を身につけ、青年へ、そしておとなへと成長し、次の世代の子どもたちの面倒をみる立場になっていく。
   だんじりのひき手の主力は、10代~20代前半の子ども・若者である。この世代の参加があってはじめて、だんじりを動かすことができ、祭を盛大に行うことができる。だからこそ、子どもたちは、地域のおとなから「お前らが主役やで!」と、頼りにされる。そこでは、子どもは単に、おとなから保護されたり、指導されるだけの受け身的な存在ではない。脈々と受けつがれてきた地域の歴史・文化の担い手であり、その歴史・文化を未来へ向けて創りかえていく主体なのである。
   私自身も、子どもの頃、「子ども会」や「青年団」を通じて、だんじりのひき手として祭にかかわったことがある。個人的には、「青年団」という結束の強い共同体にはなじみきれなかったのが正直なところである。祭にかかわることが、必ずしもすべての子どもにとって居心地のよい場所や人間関係を与えてくれるものではないことも、確かである。
   それでもなお、私はこうした地域の活動が存在することの意義を、深くかみしめている。それは、子どもがその時々の自分の手持ちの力をフルに使って、おとなから頼りにされ、地域の主役になれるような機会と場が、とても少ないと感じるからだ。とりわけ、エネルギーは満ちあふれているけれども、長時間じっと座って勉強するのはどうも苦手で、時には「問題児」と言われてしまうような子どもたちが、祭の晴れ舞台では、輝きを放つ。
勉強が苦手でもできることはたくさんあるという手ごたえと、仲間とのつながりの中で一つの物事を成しとげていく経験は、子どもたちの自信を支え、将来への糧となっていくだろう。
   いろんなタイプの子どもたちが「自分が主役」と実感できる、そんな経験ができる機会と場にあふれた地域が増えてほしいと、切に願う。       ( 相談員  渡邊 充佳 ) 


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