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平成23年2月15日号

更新日 平成25年7月5日ID番号 K10550印刷

コラム「ペダル踏みしめ、進め、前へ。」

  夕暮れの寒空の下、土手で自転車をこいでいた、ある日のこと。
 黄金に染まる川面を横目に見ながら、吹きつける風に負けじと、ペダルを踏みしめていると、ふと脳裏によぎったイメージ。

 補助輪をつけた自転車をこぐ、幼い日の私。
 はじめて補助輪を外した時の、恐れ、不安。
 サドルの両脇に添えられた父の手を頼りとしながら、はじめの一踏み。
 勢いがつく。父の手が離れる。私の身体が、私に託される。ハンドルを持つ手はジグザグ震え、顔は下を向き、足の力が抜ける。バランスを崩し、転倒。
 こんな調子で、何度もすり傷をつくりながら、添えられた手が離れた時にこそ、前を向き、ペダルを思い切り踏みしめることが大切だと知る。
 今度こそ。父の手が離れる。私の身体が、私に託される。ためらわない。まっすぐ、前へ、目一杯、踏みしめる。ふらつかない。まっすぐ進む。もう一度、もう一度。
 自分の力で、風を切り、前へと進んだ、はじめての瞬間。

 そうだった。はじめから今みたいに、こげるわけじゃなかったんだよな。
 そんな当たり前のことを、ペダル踏みしめ、確認する。

 この世に生をうけた一人の子どもが、周囲のおとなに助けられ、見守られながら、自らもまたおとなになっていくプロセスも、こんなイメージだろうか。
 おとなの役割は、はじめは補助輪。次いでは支え手。
 肝心かなめは、サドルに添えた手の離し時。こけてケガするのは心配だけど、いつまでも手を離さずにいると、子どもはひとりだちできない。
 心配どおり、ずっこけたとしても、すり傷程度のケガならば、そのつど手当てをすればいい。
 何度トライし、失敗しても、戻ってこられる場所になれれば、それでいい。
 できれば、親だけじゃなく、いろんなおとなが、支え手になれればいい。手間暇を分け合えれば、みんなに少しずつ、余裕がうまれる。
 そして、手から離れて、ふらつきながらも前へと進む子どもの背中を、ハラハラしつつも、見守られればいい。
 あなたなら大丈夫。ペダル踏みしめ、進め、前へ。そう、念じつつ。 
                                                                         (相談員 渡邊充佳)


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