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平成21年9月15日号

更新日 平成25年7月5日ID番号 K7588印刷

コラム「あたまとからだ」

 このタイトルを見て、何だろうと思われましたか?今回はちょっと変った方向から、現代社会を検討してみましょう。
“あたま”は脳、ここでは大脳皮質、つまり情報を得て、整理し、考えていく部分、“からだ”は、呼吸し、血や体液をめぐらせ調節し、食べて飲んで排泄し、外界の刺激を感じ取り、活動していく部分と考えてみましょう。
 これらはヒトが生きていく上での両輪です。特に“あたま”は他の動物と違って高度に発達し、意識が生まれ、文字やメディアの発明により、時間や空間を超えて情報伝達が可能になりました。そして“あたま”は次々と “からだ”の代わりになったり、自然環境を変えたりする“便利な”ものを発明し続けています。例えば、歩いたり走ったりする代わりに様々な乗り物があり、家の中には家事を代行するたくさんの家電(洗濯機、掃除機、食器洗浄機など)があります。使われなくなった“からだ”は容易に手に入る加工食料やペットボトル飲料(これらも当然“あたま”の発明品)などでメタボになって、“あたま”はトレーニングマシンやスポーツジムなども発明しています。ケータイの発明で顔も知らないトモダチが増え、ゲームやパソコンの普及で、子どもたち(おとなも?)は公園などでなく、ディスプレイの中へ遊びに行っています。照明で夜でも明るく、外はどんな異常気象でも家の中はエアコンで快適な室温です。
 100年前くらいに書かれたH.G.ウェルズ著『宇宙戦争』は何度も映像化され、頭が異常に発達しからだが極端に退化したタコ型の火星人が有名ですが、上記のようにボタン一つで様々なことが可能になり、“からだ”の存在がどんどん軽視される先進国の地球人に、私はイメージが重なってしまいます(何しろ“からだ”が生きていても、“脳死”ならヒトの死という時代なのです)。
 しかし便利な生活は一瞬で失われる場合があります。14年前の阪神淡路大震災や今夏の兵庫県西部豪雨など、まだ記憶も生々しいことでしょう。ライフラインが絶たれたら、“あたま”が発明した“便利な”ものは容易く壊れたり、機能しなくなったりします。しかし危機的状況では“からだ”が活躍します。道路や鉄道が破壊され、何時間も歩いて避難したり、何人もが瓦礫に埋まった人を救出したり、たくさんのボランティアがリュックに物資を担ぎ、炊き出しをし、大量の生活ゴミを片付け、皆が“からだ”をフルに活用して生活を再建してきたと思います。
 今の子どもたちは生まれたときから便利なものに囲まれて育ち、“あたま”を鍛える勉強を重視されますが、機能する“からだ”を育むために、ディスプレイの中でない、人と人が直接関わりあえる世界で、遊び、運動し、汗を流し、寒さに震えて、おとなを手伝いながら働いて、たくさんの体験をして欲しいと思います。“からだ”の感覚とともに、何か確実なものがきっと育ってくるのではないでしょうか。 
                            (専門員・新潟県阿賀野市立水原郷病院 小児科部長 塚野喜恵)


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