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〔子どもオンブズ・コラム平成29年5月号〕立憲主義と人権~憲法97条を知っていますか?~

更新日 平成29年5月15日ID番号 K22065印刷

立憲主義と人権 ~憲法97条を知っていますか?~

吉川オンブズ似顔絵
   吉川オンブズパーソン

 佐藤幸治さんの「世界史の中の日本国憲法~立憲主義の史的展開を踏まえて」を読みました。佐藤幸治さんは私の大学生時代の憲法の先生(教授)で、その授業が私の中での日本国憲法の基本理念や基本的人権についての考え方を形作ってくれました。私がこの本を読もうと思いましたのは、少し前の国会で「立憲主義」という言葉がよく出てき、佐藤幸治さんも積極的な発言をされていましたが、果たして国会で一義的な使われ方がされていたのか確かめたいと思い、改めて学ぼうと考えたからです。

 中学校の公民の教科書には、「よりよい民主政治を実現するためには、基本的人権の尊重など、私たちがともに生きていくうえでたいせつにすべき原則を明らかにして、それを政治権力が守るしくみをくふうしなければなりません。このような国の政治の基本的なあり方を定める法を憲法といい、憲法に基づいて政府をつくり、政治を行うことにより、権力の濫用を防ごうとする考え方を立憲主義といいます。立憲主義の実現のために、多くの国で、憲法は国の最高法規であるとされています。憲法の改正には慎重な手続きが定められ、憲法に違反する法律や命令は効力をもちません。このように、立憲主義に基づいて、人権の保障や権力分立を定める憲法を立憲主義の憲法といいます。」と書かれています。
 このような立憲主義は現代立憲主義といわれ、18世紀から19世紀にかけての近代立憲主義と対比されています。ここでは、佐藤幸治さんが述べている現代立憲主義に基づく日本国憲法の特徴をあげてみます。それは、
(1)国民が憲法を制定し、その憲法によって、必要な活動力の確保と濫用の防止に十分に配慮した政府の統治権力の仕組みを明確にすること
(2)人間(個人)の尊厳を基礎とする基本的人権の保障を徹底すること
(3)そのような内容をもつ憲法の法的規範性を実現するため、憲法に優位性を与え、憲法に違反しているかどうかの認定権を裁判所に与えるという制度を導入していること
(4)戦争が立憲主義にとって最大の「敵」であるとの痛切な思いに立って、平和への志向を憲法を通じて明確にすること
というものです。このように、現代立憲主義は憲法に基づく政治というにとどまらず、いくつかの重要な内容を含むものであることがわかります。

 この中で、日本国憲法が(2)の基本的人権についてどのような規定をおいているかについて紹介させていただきます。
 人権とは、人がただ人間であるということに基づいて当然に有する権利のことです。日本国憲法では、11条に「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」と規定されています。「永久の権利」であるということは、基本的人権は前国家的な権利である、すなわち「基本的人権」なるものが既にあるとの考えに立っています。         
では、何を根拠にそのような「基本的人権」があると考えられるのでしょうか。佐藤幸治さんは、その答えを日本国憲法97条に見出しています。97条には、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」と規定されているのです。
 佐藤幸治さんの本を紹介したいと思いましたのは、立憲主義のことをお伝えしたいという以外に、皆さんに日本国憲法97条を知っていただきたいと思ったからです。それは、私自身、佐藤幸治さんの本でこの97条の存在を再認識し、その言葉の重さに新たな驚きを感じたからです。

 川西市子どもの人権オンブズパーソンは子どもの人権案件の解決に当たることがその仕事とされています。日本国憲法が保障する人権の享有主体に大人と子どもの区別はありません。私は、子どもの人権に関われるオンブズパーソンとしてのお仕事を通じて、少しでも憲法の理念を実現できたらいいなあという思いを強くしました。そして、日本で初めてできた制度であり、その後の存続の試練を乗り越え、来年で20周年を迎えるこの川西市オンブズパーソン制度が、この制度に携わる人達の努力によって、将来も子どもの人権の砦(とりで)となることを願っています。
               (オンブズパーソン 吉川 法生/きっかわ のりお)
 


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