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〔子どもオンブズ・コラム平成27年7月号〕映画「みんなの学校」を観て

更新日 平成29年11月17日ID番号 K18723印刷

映画「みんなの学校」を観て

吉川オンブズの似顔絵
似顔絵:吉川オンブズパーソン

 先日、大阪弁護士会子どもの権利委員会の委員の中で最近話題になっている映画「みんなの学校」を観てきました。これは、大阪市住吉区にある公立小学校である「大空小学校」の1年を追ったドキュメンタリー映画です。

 平成18年に開校したこの大空小学校の全校数は220人ですが、そのうち特別支援を必要とする子どもは約30人います。そして、他の小学校で不登校になった子どもや、その子が大空小学校に行くのなら子どもは行かせたくないと言われた子も、みんな同じ教室で学びます。それでも、大空小学校には不登校の子どもは一人もいません。これは、どんな子も教室が一番の居場所となるよう、この小学校にかかわるすべての人たち一人一人みんなが自分たちで学校を作っていこうという思いが根底にあって、何か問題が起こっても、みんなで見守り、一緒に考えて解決していこうとする姿勢をみんなが持っているからではないかと思いました(個人的な感想です)。
 校長先生がこのような小学校を作っていこうと考えるようになったきっかけは、次のようなことがあったからだそうです。開校1年目の1学期の始業式の日、急に転入が決まった子どもが始業式で体育館の中を走り回りました。その姿を見た校長先生は、「この子さえいなければ、みんなでいい学校を作れるのに。」と思いました。この子は、普段の授業でもすぐに教室を抜け出していました。学校が始まって2ヶ月少し経った梅雨の6月、その子がずぶぬれになって教室に入ってき、また出て行こうとしました。先生が追いかけようとしましたが、その子が先生の追いつかない場所まで来たとき、先生はその子が走った後にできた廊下の水滴で派手にころんでしまいました。すると、その生徒が戻ってきて、「痛かったねえ。」と言いながら、先生の腰をずっとさすりました。その光景を多くの先生や子どもたちが何もしゃべらずにじっと見ていました。その日から、その子は教室を抜け出すことをしなくなりました。この時、校長先生は、「この子は何も変わっていない。周りのこの子を見る目が変わっただけで、全てが変わった。」と感じたそうです。

 この映画は、特別支援を要する子どもたちのみならず、粗暴で暴力をふるってしまう子、両親が朝早く仕事に出かけるため定時に学校に行きづらい子など、どこの小学校でも見かける子どもたちがどう自分と向き合っていくかも記録に収められています。さらに、まだ経験の浅い先生が校長先生から叱咤されながら子どもたちと向き合っていく姿なども描かれています。

 ここからは、私の感想です。大空小学校の皆さんは「人権」とか「個人の尊厳」といったことを考えて行動していらっしゃるわけではないでしょうから、大上段に構えた話で面はゆいのですが、私自身は、大空小学校では人を人として尊重する教育が自然とできているんだなあと感じました。人権というと、個人主義だとか、自由ばっかり主張してなどと言われます。そこで使われる個人主義は本来の意味ではなかったりしますし、自由と言っても他人を害さないという限定がつくのですが、それはともかくとして、私自身は、大学の憲法の授業で、人権というのは人が人として生まれてきたことから当然にもっている権利であり、だからこそ、人は人というただそれだけでその人格が最大限尊重されるべきだという「個人の尊厳」という考えを教わり、感銘を受けました。この映画を観て、改めてそのことに思いを致しました。

 この映画は、全国で上映されています。私は、大阪市内の十三にある「第七藝術劇場」というシネマで観ましたが、上映予定等は「みんなの学校」の公式サイトの中の劇場情報に掲載されています(www.minna-movie.com)。

執筆:オンブズパーソン・吉川法生(きっかわのりお)
 


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