エンターキーを押すと、ナビゲーション部分をスキップし本文へ移動します。

現在の位置 : トップページくらしの便利帳市民活動・人権・生涯学習人権・男女共同参画川西市子どもの人権オンブズパーソン子どもオンブズ・ニュースオンブズパーソン・コラム › オンブズパーソン・コラム(平成25年2月15日号)


ここから本文です。

オンブズパーソン・コラム(平成25年2月15日号)

更新日 平成29年11月16日ID番号 K14079印刷

「なんでそんなことしたん?」

 私は小学校1年生のとき、泥だんご作りにはまっている時期がありました。仲の良かったYちゃんと一緒に、休み時間になると、運動場の砂場に一目散に走って行って、泥だんご作りに熱中していました。誰かに教えてもらったわけではなく、全くの自己流でしたがYちゃんと私は、どうやったら硬くてツルツルの泥だんごができるか日々研究を重ねていました。私たちの泥だんごの作り方は、まず湿らせた茶色の土をだんご状に丸めます。そして、何度も何度も手で押し固めます。最後に「さら砂(私たちは、白くてさらさらした砂のことをこう呼んでいました)」を繰り返しかけ、表面を滑らかにします。このさら砂を丁寧にかける作業がとても大切で、少しでもよいさら砂を見つけるために、運動場のいろんなところに探しに行きました。授業中も泥だんごのことをよく考えていたと思います。当時の私は、勉強よりも泥だんごに学校生活をかけていたといっても言い過ぎではないような。とにかく泥だんご作りにはまっていました。
 そしてそのうち、失敗を重ねながらも、満足のいく泥だんごができるようになったとき、新たな問題が発生しました。それは、休み時間が終わったらこの泥だんごを置いておく場所がないということ。せっかく丹精込めて作ったのだから、つぶしてしまうのはもったいないし、だからといって教室に持って帰るわけにはいかない。困ったYちゃんと私は泥だんごを隠しておく場所を探しました。つぶさずにおいておくことができれば、また次の日はさらにそこからさら砂をかけて、もっとツルツルの泥だんごができると考えたからです。2人で運動場をウロウロし、土管のくぼみ、タイヤの間などいろんなところを試しました。けれど、毎回、次の休み時間に見にいくと割れています。よりよい場所を探していた私たちは、あるとき、遊具の所にあった木の平均台と地面の間にちょうど良い隙間を見つけ、早速「ここは大丈夫かもしれない!」と喜んで隠しました。
 次の休み時間にわくわくしながら平均台の下を見に行ったYちゃんと私は衝撃の場面に出くわします。なんと、同じクラスのNくんがせっかく隠したYちゃんと私が作った泥だんごをわざとつぶしていたのです。それを見たYちゃんと私はびっくりして、Nくんに「ひどーい」と抗議しました。するとNくんは、謝りもせず、その場から走って逃げて行ったのです。あんまりにも腹が立ったYちゃんと私は、担任のI先生の所に行き、「Nくんが、せっかく作った泥だんごをわざとつぶして、謝りもしなかった!」と訴えました。子どもだった私は、こんなひどいことをするNくんのことを先生に怒ってほしいと思ったのです。
 I先生は、休み時間が終わって教室に戻ってきたNくんを私たちと一緒によびました。きまり悪そうにやってきたNくんに、I先生は「2人が怒ってる意味わかるか?」と聞き、Nくんはうなずきました。そして続けて先生は、「なんでそんなことしたん?」と穏やかに聞いたのです。Nくんをきつく怒ってくれるだろう思っていた私たちはちょっと拍子抜けしました。なにせ「理由なんか関係ないよ、Nくんが悪いんだよ!」と思っていたのですから・・・Nくんは、しばらく黙ったまま、困ったような表情でいました。そして、ぼそっと「ぼくも一緒に作りたかった」「いっつも作ってるの見てた」と言ったのです。私は思ってもみなかったNくんのことばにびっくりしました。私はNくんが私たちを困らせようとして意地悪で泥だんごをつぶしたと思っていたのに、一緒に作りたいと思っていたなんて!! それを聞いたI先生は「そうなんやって。どうしたらいいか3人で考えてみて」と付け加え、Nくんのことを怒りませんでした。
 あのとき、先生が「なんでそんなことしたん?」とNくんに聞いたことで、私はNくんの気持ちに気づきました。先生が頭ごなしにNくんを怒っていたら、ずっと気づかなかったと思います。あのときの先生のことばは、Nくんと私たちの関係を大きく変えるものでした。
 子どもが見せる一見理解できない行動にも、その子にとっての「なんで」が必ずある。おとなからみると意味が分からないことでも、子どもにとってはとても切実な理由があったりします。I先生はそれを大事にしていたのだなぁと、すごく思います。そして、自分がおとなになった今、子どもの「なんで」をしっかり受け止めることのできる人でありたいなと日々思っています。

執筆:相談員・平野裕子
 


視察を受けました

5月18日(金曜日):埼玉県朝霞市議会・民生常任委員会 
7月 3日(火曜日):青森市議会・文教経済常任委員会 
8月10日(金曜日):大阪府泉南市教育委員会 
8月16日(木曜日):開成高等学校(東京)社会科研究部 
8月17日(金曜日):滋賀県議会・対話の会しがねっと 
8月21日(火曜日):鳥取市議会・公明党議員団 
9月 7日(金曜日):青森市健康福祉部子どもしあわせ課
10月10日(水曜日):埼玉県鴻巣市議会みどりの会、滋賀県教育委員会
10月17日(水曜日):東京都多摩郡瑞穂町・厚生文教常任委員会
11月 6日(火曜日):高槻市議会および島本町議会
11月12日(月曜日):栃木県足利市議会
11月14日(水曜日):滋賀県町村会・教育次長会議
11月20日(火曜日):川西市立多田東小学校PTA
11月21日(水曜日):自治体青年政策ネットワーク(全国若手地方議員有志)
12月21日(金曜日):滋賀県大津市 市民部文化・青少年課
 


このページに関するお問い合わせ

子どもの人権オンブズパーソン事務局
〒666-8501 川西市中央町12番1号 市役所3階
電話:072-740-1235 ファクス:072-740-1233
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。



このページのトップへ戻る

表示 PC スマートフォン